01 問答としての商品交換

  

                      遠近法に吸い込まれそうな職場です。
 
01 問答としての商品交換 (20130312)
 
 商品交換は、一言も話さなくてもできます。例えば、果物屋さんの店先で一個100円で売っているリンゴを一つ掴みあげて、果物屋さんに100円玉を一つ差し出せば、何も話さなくても、リンゴを買うことができます。
 しかし、果物屋さんは、一個100円という値札を、リンゴの籠に置くことによって、「このリンゴを一個100円で売ります」「このリンゴを一個100円で買いませんか」と呼びかけている。私が黙ってリンゴを一個手にとって、100円を差し出すとき、私は「このリンゴを一個100円で買います」といっているのです。商品交換は、常に問答によって可能になり、問答を伴っています。
 これは当たり前のことですが、この当たり前のことについて、すこし分析してみたいとおもいます。
 商品とは、これから交換されるもの、あるいは先行する交換によって得られたもの、として考えられた時の財やサービスのことだと言ってよいでしょう。
 商品交換とは、財やサービスの所有者(個人ないし共同体)が、自分が所有している財やサービスを相手に与えて、その代わりに、相手が所有している財やサービスを手に入れることです。(交換には、商品交換以外の交換もありますが、交換一般についての定義は難しいので、必要になったときに考えることにします。)
 貨幣とは、このような商品交換の際の媒介物で、価値尺度、流通手段、価値貯蔵の3つの機能を持つものであると、一般的に言われています。
 この3つの機能について分析したいと思います。

投稿者:

irieyukio

問答の哲学研究、ドイツ観念論研究、を専門にしています。 2019年3月に大阪大学を定年退職し、現在は名誉教授です。 香川県丸亀市生まれ、奈良市在住。

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