118 誤り発見 (finding a mistake) (20240514)

[カテゴリー:問答の観点からの認識]

*誤り発見

これまでの議論では、ゲーデルの不完全性定理を考慮することを忘れていました。

<論理学や公理系を持つ特定科学では、公理系によって、用語の意味を完全に規定できる>とこれまで述べてきました。しかし、完全性が証明されている命題論理と一階述語論理については、これが成りたちますが、これより複雑な公理系については、これは成り立ちません。なぜなら、ゲーデルの不完全性定理によって、真であるけれども定理とならならい文(式)があり、その文(式)の使用法は、公理系では決定されていない、ということが証明されたからです。このゲーデルの不完全性定理を考慮するとき、論理学と数学と(公理化可能な)特定科学についてのこれまでの議論を修正する必要があります。ただし、これについての考察は、手短に済ますことができないので、現在の進行中の話を区切りの良いところまで進めてから、不完全性定理の考慮に戻りたいと思います。  区切りの良いところとは、特定科学の公理系の話、公理化できない科学の文の意味と真理性の話、日常言語の意味と真理性の話、を問答推論の観点から検討して、それを真理の定義依拠説と関係づけて、原子論的意味論ではない仕方で、真理の定義依拠説を擁護することです。