<哲学的人生論>は新しい学問である?

 「人生論」と呼ばれる書物は多い。それらは、「人生とは何か」とか「人生をいかにいきるべきか」とかの問題に答えてきた。しかし、その多くは、宗教に基づくものである。宗教に基づかない人生論、宗教批判を前提とした人生論は、むしろ新しい哲学分野である。
(このことは、パーフィットという哲学者が、非宗教的倫理学に関して、「他の学問と比べると非宗教的倫理学は最も新しく最も進歩していないものである」(パーフィット『理由と人格』森村進訳、勁草書房、154節)と述べているのと同じ事情である。)

 「哲学的人生論」の課題は、通常の人生論と同じく「人生とは何か」とか「人生をいかにいきるべきか」などの問題に、哲学の立場で取り組むことである。しかし、この問いに哲学の立場で答えが提供できるとは限らない。まずは、これらの問いそのものの分析が必要である。
 哲学の立場で、人生について、何をどこまで、語ることが出来るのか、あるいは何を語ることができないのか、あるいは何を語るべきではないのか、それは探求の最後に、結論として明らかになるだろう。

 さっそく、問題に取り掛かることにしよう。

投稿者:

irieyukio

問答の哲学研究、ドイツ観念論研究、を専門にしています。 2019年3月に大阪大学を定年退職し、現在は名誉教授です。 香川県丸亀市生まれ、奈良市在住。

「<哲学的人生論>は新しい学問である?」への27件のフィードバック

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    記事を楽しく読んでいます. 一般的なことについてはかけないので,哲学と人生の関係に関する個別の事例の一つをあげてみます.ピーターシンガーは,70年代に動物の権利などに関する論文を書き出してから,一種の菜食主義者(海産物の一部は食べるのかな?)に転向するようになったと聞きました.哲学理論を吟味していくうちに(彼は功利主義者なので功利を計算した結果?),それが自身の食生活に影響を及ぼすこともあるのだな,ということを知りました.

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