累進税率をいくらにすべきか

讃岐富士に登りました。五合目です。

問題「どのような累進税率が適切であるか」

答えるための一つの基準:

所得税率を全ての人に同率にすることに反対する理由を、前回次のように前回書いた。
「各人が経済活動に参加するときの条件が同じならば、そこから得られた所得に対して、上記の意味で平等な負担を求めることで十分であるが、しかし機会の不平等のもとで生まれた所得の格差に対しては、上記の意味での分配は、平等な再分配であるとはいえない。」

同率課税のこの欠点を解消することが累進税率の基準になるだろう。
資本主義社会での経済活動は、自由競争によって行なわれている。自由競争の結果をそのまま受け入れるべきだ、ということが正当性を持つためには、自由競争に入る者たちのスタートラインが同一であること、つまり機会の均等が保証されていなければならない。
したがって、機会の均等がない社会で行なわれた競争の結果の格差については、機会の不均等を是正するような再分配、つまり累進課税が必要である。その累進税率は、機会の不均等を是正するのに必要なだけということになる。

基準を受け入れたときの次の問題
問題「機会の不均等を是正するのに必要な累進税率が、どれだけのものになるのか、をどのようにして決定したらよいだろうか」

これは哲学の問題というより、厚生経済学の問題でしょうか。