アムステルダムで一番有名なビールは?と尋ねるとハイネケンだ
という答だったので、二番目に有名なビールを頼みました。
10 ナショナリズムとグローバル化 (20121101)
「文化をグローバル化するとはどういうことか」という問いに答えようとして、
・政治経済的な要因
・有用性という要因
・翻訳という要因
に言及してきました。この先が見えなくなってきたので、最初の問いに戻ります。
この書庫の問いは、次の二つの問いでした。
「グローバル化とは何か」
「グローバル化にどう対応すべきか」
とりあえず、文化について、これらの問いの答えようとしてきました。
そこで次のような問いを立てました。
「文化はグローバル化によって、どのように変容するのか」
この問いに答えるために、次の問いを立てたいと思います。
「グローバル化によって、文化において失われていくものは何か」
これへの簡単な答えは、「伝統的なローカルな文化」です。これには、つぎのように答えることもできます。「ナショナリスティックな文化が失われていく」
例えば、日本史研究、日本文学研究、日本思想史研究、これらはナショナリズムと結びついています。あるいはドイツ史研究、ドイツ文学研究、ドイツ思想史研究出会っても同じです。歴史意識は、ナショナリズムと共に民族共同体のアイデンティティを求める動機で生まれたものです。民族言語による文学も同様でしょう。思想も、ドイツ哲学、フランス哲学、イギリス哲学などと国名をつけて呼ばれるときには、ナショナルな文化です。
ナショナルな文化の後退を惜しむ人たちがいますが、しかし他方ではナショナルな文化からの精神的な解放を喜ぶ人たちもいます。異文化理解の意義として、自己文化をより知ることになる、ということがあげられることがありますが、しかし、自国文化から解放されるということもあるのではないでしょうか。
外国で生活すると、外国かぶれになるか、日本回帰するか、どちらかになりがちであるとすると、それはナショナリズム、ナショナルな文化の拘束がきついことの裏返しではないでしょうか。グローバリズムは、このような文化的な拘束から我々を解放してくれるのではないでしょうか。それは外国かぶれになることとは別のことです。
というわけで、ナショナリズムとグローバリズムの関係を考えてみたいとおもいます。
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