[カテゴリー:問答の観点からの認識]
前回、意思決定の問答が、より上位の意思決定の問答を持つことがあること、そして、そのような二つ意志決定の問答の順序は入れ替わることがありうることも示しました。
ここではまず、そのような二つの問答は、入れ子型の関係ではなく、直列関係と並列関係になることもあり得ることを示したいと思います。
#二つの意思決定問答が直列する場合。。
「お昼を何にしようか」
「お昼はうどんにしよう」
「お昼はどの店に行こうか」
「あのうどん屋にいこう」
この場合、最初の問答の答えを暗黙的な前提として、第二の問いを立て、それに答えています。
#二つの意思決定問答が並列する場合。
「お昼ごはんをどうしようか」
「お昼を何にしようか」
「お昼はうどんにしよう」
「お昼はどの店に行こうか」
「あのうどん屋にいこう」
「お昼ごはんは、あのうどん屋でうどんにしよう」
この場合は、並列する二つの意思決定の問答は、より上位の意思決定の問いに答えるために行われています。この問答において、「お昼はどの店に行こうか」を「お昼はうどんにしよう」ということを前提しないで問うているのならば、中間の2つの問答は、どちらを最初に行ってもよい横並びの関係、つまり並列の関係にあります。
#意思決定の多面性
前回の最後に「すべての意思決定問答は、このような関係にある別の意思決定問答をもつのでしょうか」と問うたのですが、ここではそれに「はい」と答えたいと思います。
例えば、次の実践的問答
「お昼に何を食べようか?」
「お昼はうどんを食べよう」
における答えの意思決定を実行するためには、他にも多くの事柄の規定を追加しなければなりません。
「<私は>、<あそこのうどん屋で>、<今日の>お昼にうどんを食べよう」
ここで追加した条件は、「私は今日のお昼に何を食べようか」という問いに暗黙的に含まれている場合もあれば、この問いを問うた時には、まだ規定されていないこともあると思います。「誰が」「どこで」「いつ」などについての問答は、すでに行われているのかもしれないし、これから行われるのかもしれないし、これらの問答は、互いに、入れ子型の関係になるのかもしれないし、直列型、並列型の関係になるのかもしれません。
意思決定の問答においては、その問答で焦点が当たっている条件以外の条件についても、明示的であれ、暗黙的であれ、決定しなければ、その答えを実際に実行することが出来ませせん。
ある状況で、行為を決定するには、多くの意思決定をする必要があるということです。つまり意思決定の問いを問うときには、多くの必要決定事項の中から一つを選択しているのです。では、この必要決定事項の選択は、どのように行われるのでしょうか。つまり、意思決定の問いの設定は、どのように行われているのでしょうか。 これを次に考えたいと思います。