21 分断と平和(Social division and peace)(20250930)

[カテゴリー:平和のために]

(9月12日に無事、研究発表は終わりました。推論主義研究会主催の国際会議’Pragmatism, Inferentialism, and Hegel in the Wake of R. Brandom’ś A Spirit of Trust’が2025年9月10~12日、京都大学、での口頭発表’Normativity and Recognitiion in Question-Answer Relationship’が終わりました。その時の発表Power Point 資料はこちらです。)

 もし社会が、コミュニケーションの連鎖と結合、問答の連鎖と結合で出来ているのだとすると、

社会の分断とは、コミュニケーションの分断、問答の分断です。

 ところで、A2「社会の完全な分断は不可能である」は成り立つとしても、他方でB2「完全な相互承認の不可能性」ゆえに、社会には、コミットメントの不一致(両立不可能性)がありえます。問題は、このコミットメントの不一致(両立不可能性)から何が帰結するかです。コミットメントの両立不可能性が、生じるとき、私たちはそれを解消しようとする。なぜなら、コミットメントは規範性を持つ、つまり判断や行為にコミットするとき、私たちはそれらから帰結する義務を引き受けるべきだからです。この義務同士が両立不可能であるとき、私たちは(個人としてであれ、社会としてであれ)この両立不可能性を解消すべきです。 平和とは、社会にコミットメントの両立不可能性が生じた時、それを会話によって修復できることです。