169 二重問答関係と文脈(Double Question and Context)(20260211)

[カテゴリー:問答の観点からの認識]

前回述べたように、問いの答えは、その有用性によって正当化される。問いの答えの有用性は、問いの目的の実現にとっての有用性だといえるだろう。ここには、次のような入子型二重問答関係が成立する。これについて分析しよう。

<ある現象についての二つの問い>

旗を掲揚するためのポールの影の長さと太陽の角度が分かれば、ポールの高さが分かる。そこで、次のような二重問答関係が成立する。

  「ポールの高さはいくらか」→「ポールの影の長さはいくらか」

この場合、もしポールの高さと太陽の角度が分かれば、逆にそこからポールの影の長さがわかる。それゆえに、次のような二重問答関係も成立する。

  「ポールの影の長さはいくらか」→「ポールの高さはいくらか」

これらのケースでは、晴れており、太陽の角度を測れる、ポールの影がはっきり見える、地面が水平である、などが文脈的な条件となる。また、ポールの高さを知る必要がある場合には、上の二重問答が行われ、ポールの影の長さを知る必要がある場合には、下の二重問答が行われる。

つまり、より上位の問いは何か(まず何を問いたいのか)ということが二重問答関係を決定する。ただし、上の二つの二重問答関係においてわかるように、どちらがより上位の問いになるかは、二つの問いの内容によって決まっているのではない。そして、最初にどのような問いを立てるかは、文脈に依存している。

「問いの答えの適切性とは、より上位の問いに答えることにとっての有用性である。このとき生じる入子型二重問答関係全体を支配しているのは、より上位の問いである。では、このより上位の問いをさかのぼっていくことは可能なのだろうか? 次回それを考えたい。