[カテゴリー:問答の観点からの認識]
#正統化についての再説明
次のような入れ子型二重問答関係があるとしよう。
Q2→Q1→A1→A2
(これはQ2に答えるために、Q1を立て、その答えA1を前提して、Q2の答えA2に到達する、という関係を表現している。)
ここで、次の二つの場合を分けることができる。
(1)ある場合には、Q1の答えは、その内容がどのようなものであれ、常にQ2に答えることに役立つ。
Q2「これは食べごろですか」
Q1「これは赤いですか」→A1a 「これは赤いです」 →A2a「これは食べごろです」
→A1b「これは赤くないです」→A2b「これは食べごろではないです」
この場合には、Q1の答えが正しいのならば、その答えがA1aであってもA1bであっても、Q2に正しく答えるのに役立つ。Q1の答えが正しくなければ、Q2に正しく答えるのには役立たない。したがって、A1から導出されるQ2の答えが正しいことによって、A1は正統化される。
(2)ある場合には、Q1の答えがある特定の内容の場合には、Q2に答えることに役立つが、それ以外の内容が答えの場合には、Q2に答えることに役立たない。
Q2「これは桜ですか」
Q1「これの花弁は5枚ですか」→A1a 「5枚です」 →A2a「これは桜かもしれません」
→A1b「5枚ではありません」→A2b「これは桜ではありません」
Q1の答えが、A1a である場合には、Q2に答えるには役立たない。A1bである場合には、Q2に答えるのに役立つ。この場合にも、A1bがQ2に正しく答えるのに役立つのは、それが正しいときである。
この場合、A1bから導出されるQ2の答えが正しいことによって、A1bは正統化される。
それに対して、A1aが正しいとしても、この場合には、それは正統化されない。
このQ1の問いの寄り上位の問いQ2が「これはハナミズキですか」であれば、
Q1「これの花弁は5枚ですか」→A1a 「5枚です」 →A2a「これはハナミズキではありませせん」
この場合、A2a が正しいならば、A1aはその答えを導出するのに役立ったので、正統化される。
Q1の答えが、より上位の問いQ2に答えるのに役立つか役立たないか(つまり、正統であるか、いなか)は、Q2の内容に依存しており、Q1とA1の内容だけに依存するのではない。
(3)Q1の答えA1は、より上位の問いQ2の真だと思われる答えと両立不可能であるとき、批判される。だだし、Q2の真だと思われる答えを知っているのならば、それに答えるためにQ1を問うことはないであろう。したがって、このようなケースは少ないかもしれない。
ただし、つぎのようなケースは多くあるだろう。Q1の答えA1が、真だと思われる他の命題と両立不可能であるとき、A1はQ1の答えとして、批判される。この場合には、Q1の真なる答えを、A1以外のものの中に探ることになる。
次回から、経験的認識の正統化について、そして手始めに、時間認識の正統化について、考察したい。
