142規範に関する記述的問答の下位区分 (Subdivision of normative descriptive questions and answers) (20250129)

[カテゴリー:問答の観点からの認識]

<事実に関する記述的問答>の下位区分と同様の仕方で、<規範に関する記述的問答>を次のように下位区分できると思います。

(1)単称命題を答えとする問答

(2)全称命題を答えとする問答

(3)ある目的を実現するための手段を求める問答(実践的技術的問答)

(1)の例

「彼はそのように命令する資格があるのだろうか」

「トランプの就任式は、どこでいつ行われたのか」

(2)の例

「どんな時も嘘をつくべきではないのだろうか」

「通貨供給量が増えたら、インフレになるのだろうか」

(3)の例

「この本をもっと安く買うにはどうしたらよいだろうか」

「土地の登記を変更するには、どうしたらよいのか」

(3)の場合、目的もそれを実現する手段もどちらも、規範的語彙の使用によって記述できる規範的状態である)を実現する手段は、自然的な因果関係ではなく、社会の仕組み(社会制度)に基づいて設定されます。

投稿者:

irieyukio

問答の哲学研究、ドイツ観念論研究、を専門にしています。 2019年3月に大阪大学を定年退職し、現在は名誉教授です。 香川県丸亀市生まれ、奈良市在住。