168下流推論による主張の正当化(Justifying claims through downstream reasoning)(20260123)

[カテゴリー:問答の観点からの認識]

(「です、ます」調だと少しまどろっこしいので、今回から、「です、ます」調を「である」調に変えることにします。)

#下流推論による主張の正当化

この二回(166、167)考えてきたように、もし主張の基礎づけの不可能性を認めるならば、私たちは主張をどのようにして正当化できるだろうか。

(それとも主張の正当化をあきらめるべきだろうか。もし主張の正当化を放棄するならば、その場合、主張することつまりその発話にコミットすることは、正当化を求めていない。発話にコミットすることは、もし理由や根拠を問われたならばそれに答える責務を引き受けることである。つまり発話を正当化する責務を引き受けることである。つまり、私たちは、何かを主張するならば、それを正当化することをあきらめることはできない。なぜなら、正当化の放棄は、主張にコミットすることと相いれないからである。)

ある主張を、それを結論とする推論(上流推論)によって基礎づけられないとき、その主張を前提とする推論(下流推論)の結論の有用性によって正当化することが一つの対応策として考えられる。

ただし、ある主張を前提とする下流推論の結論が有用であることによって、元の主張を正当化するという方策には、二つの欠点がある。一つは、推論において、結論が正しいとしても、前提が正しいとは限らないということである。もう一つは、結論が有用であることをどのように説明するのかということである。この後者には、次のように応えられる。

 問いの答えが有用であるとは、それがより上位の問いに答えるために有用である、ということである。ここには、次のような入子型二重問答関係がある。

  Q2→Q1→A1→A2

(これは、問いQ2を解決するために、問いQ1を立て、その答えA1を用いて、Q2の答えA2を得る、という関係を表現している。)

問いの目的が、もしより上位の問いに答えることとして解釈できない場合には、問いの答えの有用性は、問いの目的の実現にとっての有用性だといえるだろう。