01 動物はいつ探索を行うようになったのだろうか? (20200909)

[カテゴリー:人はなぜ問うのか?]

 人はいつ問うようになったのだろうか? 問うことは、通常は言語を用いて行う行為である。動物は問うことはしないかもしれないが、しかし探索は行う。では、動物はいつ探索を行うようになったのだろうか。動物の探索と人の探索はどこが違うのだろうか。しばらく、これらを考えたい。

西村三郎著『動物起源論』(中公新書)では、次のように植物と動物を次のように定義する。

「植物とは、自ら動くことはできないが、光合成(炭酸同化作用)を通じて無機物から有機物を合成し、自分の体を作り上げていくことのできる生物、一方、動物は感覚し、そして動き回ることができるが、みずからは有機物を合成できないので、外から有機物を取り込んで体を作っていかねばならぬ生物のことを指している。」(p. 12)

動物の本質は、「動物は感覚し、そして動き回ることができる」ということにある。動物とは、動き回る生物であるが、動き回るためには感覚が必要である。動物は、動き回って餌をとる。餌を取るためには、餌を感覚する必要がある。動物の運動と知覚は、主として餌の探索のためのものである。つまり、生物が動物となったときから、生物は探索するのであり、動物とは探索する生物なのである。

 では、ここから人間探索までに、どのような道程があるのだろうか。