ピッツバーグ便り

10年ぶりにPittsburghに来ています。3か月弱の滞在予定です。
和辻の話が途中で止まっていて、続きは来年になりそうです。
Pittsburghは、非常に寒くなるだろうと思いますが、今のところは大阪より少し寒い程度です。
最高温度が15度前後です。メイプルの紅葉が始まっています。
この間家の近くでリスをみました。こちらにはリスが多いことを思い出しました。
なぜ日本にはリスが少ないのでしょうか。天敵がいるのでしょうか。

フィヒテの没後200年に

 
 
 
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フィヒテの没後200年に (20140130
昨日は、ドイツ観念論の哲学者Johann Gottlieb FichteMay 19, 1762 -January 29, 1814)の200回目の命日でした。フィヒテは、この日の午前5時になくなっています。Wikipediaの日本語ページと英語ページには、1月27日死亡と書いてありますが、それは間違いです。最近までドイツ語ページもまちがって27日死亡と書いてありましたが、本日確認すると、29日死亡に修正されていました。この間違いは、ヘーゲルが『哲学史』のなかで、フィヒテが1814年1月27日死亡したと間違って書いている事によるのだろうと思います。ヘーゲルがなぜ間違えたのは、調べていません。
 
というわけで、ことしは、没後200年の企画が世界中でいろいろと企画されています。
 
 

 

 
 

資本主義の暗い未来

                                     
 
 
資本主義の暗い未来
 
・経済のグローバル化によって資本の移動が用意になり、資本は安い労働力を求めて、中国やインドや東南アジアに移動しています(いずれは、アフリカへ)。そのために、そこでの労働力への需要は高まり、賃金は上昇しています。先進国の労働力への需要は減少し、賃金は下降しています。この動きは、最終的には、世界の賃金が均一化するまで続くでしょう。経済外的要因がそれを押しとどめようとしても、資本家は政治家に働きかけて、その要因をなくしてゆくでしょう。
・現在、資本は国境を超えて移動し、外国に工場を作ったりしますが、労働者は国境を超えて自由に移動できません。労働者が国境を越えて自由に移動できるようになったとき、国家の三要素(領土、主権、国民)の中の国民という概念がなくなります。
・日本経済は外国人労働者を受け入れない限り、活性化することはないように思います。もし1990年代に外国人労働者を受け入れていれば、日本経済は活性化していただろうと推測します。移民を受け入れることは、労働者が国境を越えて自由に移動することとは、異なりますが、そのための前段階だと言えます。
 
・他方で、技術の発達により、人間労働が機械によって代替されつつあります。物をつくる労働は、おそらくすべて機械に置き換わるでしょう。ロボットの能力は人間の能力を追い抜いて、人間よりもよりよい物を作れるようになるし、ロボットの価格には下限がありえないのに対して、人間労働の価格には、人間労働の再生産を可能にするための下限があるからです。
・かつて私が少年であった頃には、いずれロボットが生産してくれて、人間は労働から解放されるのではないかと夢想しました。しかし、今やロボットがどんなに発達して人間の労働に置き換わったとしても、人間の生活は楽にはならないことが分かりました。なぜなら、私たちが生活するにはお金がいるのですが、ロボットによって私たちの賃金は下がり、職場は少なくなるからです。
 
・現在インターネットの普及によって、流通の中抜きが進んでいます。生産者が直接に消費者に売るのです。例えば、本も、作家がつくった作品のデータを直接に読者に売るようになるでしょう。音楽もそうです。ニュースもそうなるかもしれません。そのときに、編集という仕事が重要なものに成るかもしれません。もう一つ重要なのは、宣伝です。
・重要な人間労働として残るのは、商品開発と宣伝になるかもしれません。宣伝は商品の良さを宣伝するので、最も重要なのは、商品開発です。よい商品を作ることです。
 
・私たちはどうしたらよいでしょうか。ロボットにできない高度な職業人、自営業者、資本家になれればよいでしょう。高度な職業人と自営業者はアッパ・ミドルを形成し、資本家は富裕層を形成し、その他の人々は、ロボットの価格と競争する低賃金労働者になるでしょう。
 
・これがグローバル資本主義の暗い未来です。
 
 

 

ユーロ危機の原因

Bolognaのパスタです。スパゲッティでなくて、別の名前でしたが忘れてしましました。
この食べ物も、グローバルな食べ物だと言えそうです。
 
ユーロ危機の原因は何か? (20121012)
 
2日前に、ユーロ危機についてのオランダ人の講演を聞きました。
その時に違和感を持ったので、それについて書くことにします。
その講演者は、ユーロ危機の原因は、産業構造の変化にあるのだというのです。つまり、
農業から工業への変化があり、現在工業からサービスへの産業の変化の時期であるから
危機が起きているのだというのです。そこで、それへの対処法としては、イノヴェーションを起こして
生産性を高めるしかない。そしてそのためには、高等教育の強化が必要だ。
後で思ったのですが、これがおそらく新自由主義者の理解なのでしょう。
 
ヨーロッパの財政危機は、日本やアメリカと同様に、富裕層と法人への減税のためなのではないでしょうか。したがって、この原因を取り除く必要があります、つまり富裕層と法人への税率を1980年ころの水準に戻すことです。新自由主義者は、この原因をすり替えて、さらに格差を広げようとしています。それが、富裕層や大企業にとっての最適の生き残り策なのでしょう。(財政学者がそれを指摘しないのはなぜでしょうか。御用学者は、原子力研究者だけではない、と考えざるを得ません。)
 
これで、もしロムニーが勝つと、世界はどうなってしまうのでしょう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

正月に感じたこと

お雑煮です。
 
おめでとうございます。
この正月に感じたことを二つ記します。
 
(1)東アジア文化経済共同体?
久しぶりにvideoを借りに行くと、韓流映画のコーナーだけでなく、華流映画のコーナーもありました。日韓合作ドラマ、日中合作映画、中韓合作映画もたくさんあるようです。映画やTVドラマやポピュラー音楽の分野では、東アジア域内の交流がどんどん進んでいます。このまま進むと文化の領域では、アジアの共通市場ができそうです。文化と経済の面では、東アジア共通市場ができそうです。
 
(2)もう一つは、民主主義がうまく機能していないという言説と、様々な制度が民主的になっていないという言説が目についたことです。人々は、個々の問題のだけでなく、現在の政治システムそのものがうまく機能していないと感じているようです。つまり、原発や財政や年金など個別の問題ではなくて、これらの問題を解決する能力一般を現在の政治システムが持っていないということが明らかになっているように思われます。しかも、そのことに多くの人が気づいているのにもかかわらず、政治システムを修正するメカニズムが働いていないのです。政治制度は、社会問題を解決するものとして創設され、そのようなものとして正当性をもちます。社会問題を解決する能力を持たない政治制度は正当性を持ちません。それを変える必要があります。社会問題を確定して、その解決方法を決定し、それを実行するシステムを作り上げなければなりません。(さて、どうしたらよいのでしょうか。これについては、いずれ(人格論に区切りがつけば)書庫を立ち上げて考えたいとおもいます。)
 
今年もよろしくお願いします。
 
 

就職の国際化

 
 
最近の大企業は、日本人の大卒の採用を控えて、外国人の大卒の採用を増やしているようです。
それは企業として、当然の選択だろうとおもいます。
 
では、日本の学生はどうすればよいでしょうか。日本の学生もまた、日本企業だけでなく外国の企業への就職を考えたらよいのではないでしょうか。海外の企業のほうが、日本企業よりも高く評価してくれるかもしれません。これが進めば、おのずと4月一斉の新卒採用という制度もなくなるでしょう。
 
今流行の「龍馬」なら、絶対に外国で働く道を選ぶでしょう。
 
そのために、何よりも必要なのは、語学力ですね。
 
 
 
 

本当の理由が本当の理由になる理由

財政赤字の原因が、富裕層と法人への減税であるとしたら、それをもともに戻すことが、その解決なのです。そのときに常に言われるのが、そうしたら、富裕層や法人が外国に逃げ出すということです。あるいは企業の国際競争力が落ちると言うことです。
じつは、税率を下げるときにも同じことが言われてきました。しかも、先進国はまったく同じ理由によって、まったく同じようにこれらの税率を下げてきました。

最近は、財政赤字に取り組まないことが将来世代への負担の押し付けになる、という世代間不公平が喧伝されています。将来世代の負担といっても、高い消費税率や年金カットで苦しむのは、将来の中流、下流の人々です。世代間不公平より重大なのは、階層間不公平です。今すでに、我々は階層間不公平の付けを支払わされています。

財政破綻しても富裕層や大企業が損をしないことが、財政赤字が増大し続ける本当の理由だと書きました。
しかし、なぜこれが理由になるのでしょうか。
国家の政策は、国民の世論や国民代表者によって決定されいているのではないでしょうか。それならば、国民の大多数である労働者の意見が反映されないのは、どういうことでしょうか。
それは、国民の世論がマスコミによってコントロールされているからではないでしょうか。
そして、マスコミは、スポンサーである大企業によってコントロールされているのではないでしょうか。

企業の政治献金も問題ですが、企業のマスコミ献金(広告スポンサーになること)が問題なのではないでしょうか。

などと偉そうなことを言っても、今のところ、代案はありません。

財政再建に取り組まない本当の理由?

現在の日本はなんだか長いトンネルの中を走っているみたいです。

「格差問題」の書庫で以前に2008年10月16日に書きましたように、先進国の財政赤字の原因は、1980年代から富裕層の所得税率と法人所得税率を下げたことにあるとおもいます。
したがって、財政破綻を防ぐには、それらを元に戻すことが必要だと考えます。
しかし、そのように主張する政党がないのはどういうことでしょうか。

しかし、このままでは財政破綻が目に見えています。それでは、なぜその回避にとりくまないのでしょうか。その応えは、財政破綻しても、富裕層や大企業は困らない、ということです。

もし日本が財政破綻すれば、どうなるでしょうか。赤字国債の買い手が見つからず、国債の借金を返済できなくなったとき、おそらく日本政府はIMFに財政支援を求めるはずです。そのとき、IMFがなにをするかは、韓国の通貨危機のときにすでにわかっています。あるいは、現在ギリシア政府が行っている政策でわかっています。

それは、消費税率をあげること、公務員の給与削減、国家予算の大幅なカットであり、
企業支援のための雇用の流動化、投資を促すための投資家保護、です。

結局、財政破綻して、IMFが乗り込んできても、大企業や富裕層は何も損をしません。ひどい目に会いそうなのは、労働者であり、中流、下層の人間です。

目覚めよ!

などと偉そうなことを言ったとしても、こんなことを言うだけでは、何も変わらないのです。

地域研究の人文学からグローバルな人文学へ

好況不況に関係なく経済のグローバリズムは加速しています。インターネットによる情報のグローバリズムも加速し、世界を大きく変えつつあります。こうした中で、大学の国際化も音を立てて加速しそうです。こんな中で我々の文化は、また人文学は、どうなるのでしょうか。
 
伝統的な人文科学は、哲学研究も、文学研究も、歴史研究も、どれも地域研究として位置づけられることになるでしょう。人文学が、人の生き方、価値観、文化のもっとも重要な部分に関わり続けようとするのならば、単なる地域研究に読み替えられてしまうような研究ではなく、我々の生きている現実、つまりグローバル化しつつある現実をあつかう「グローバルな人文学」に変貌する必要があります。
それは、これまでの人文学が扱ってきた対象とは別のグローバルな現象を取り扱うということではありません。これまでの人文学が扱ってきた対象をグローバルな視点から再解釈するということです。

グローバルな視点から再解釈するとは、次ぎの二つのことです。
①地域を越えたグローバルな広がりの中に位置づけなおすということ
②グローバライゼーションのという世界史的な動きの中でそれがもつ意味を再解釈すること

皆様、よい年をお迎えください。