50 ベイズ推論について (20221013)

[カテゴリー:人はなぜ問うのか?]

#ベイズ推論(あるいはベイズ推定)(Bayesian inference)について

(にわか勉強で、まだよくわかっていないところがあります。次のように言えると思います。)

ベイズ推論の定義:観察事象から、その現象の原因事象を、ベイズの定理を用いて確率的に推論することである。

説明:今仮に事象Xが成立しており、Xが生じた原因は事象Aであると推定するとします。このとき、二つの事象XとAについて次のベイズの定理が成り立ちます。

   ベイズの定理:P(A|X) = P(X|A)P(A) / P(X)

この定理は、次のように理解できます。

<主観確率P(A) に、係数P(X|A)P(A)/P(X) を掛けることにより、証拠 X を加味して、より客観性の高い確率 P(A|X) を求めることができます。>

もう少し丁寧にいうと次のようになります。<P(A)は、事象Xの原因として考えられる事象Aが成立する事前確率であって、主観確率です。それに対してP(X)は、客観的に事象Xが成立する確率です。そして、事象Xが起きた時に、その原因と考えられる事象Aが起きていたと考えられる確率(事後確率)を推論することができます。> これがベイズ推論(ベイズ推定)と呼ばれるものです。

 このベイズ推論は、この事後確率を事前確率として前提し、それに新たな証拠を加味することによって、より客観性の高い事後確率を求める、といことを反復することができます。

フリストンやホーヴィは、このベイズ推論をもちいて、知覚や行為を説明します。まず、ベイズ推論で、知覚をどのように説明するのかを、次に見たいと思います。

投稿者:

irieyukio

問答の哲学研究、ドイツ観念論研究、を専門にしています。 2019年3月に大阪大学を定年退職し、現在は名誉教授です。 香川県丸亀市生まれ、奈良市在住。