好況不況に関係なく経済のグローバリズムは加速しています。インターネットによる情報のグローバリズムも加速し、世界を大きく変えつつあります。こうした中で、大学の国際化も音を立てて加速しそうです。こんな中で我々の文化は、また人文学は、どうなるのでしょうか。
伝統的な人文科学は、哲学研究も、文学研究も、歴史研究も、どれも地域研究として位置づけられることになるでしょう。人文学が、人の生き方、価値観、文化のもっとも重要な部分に関わり続けようとするのならば、単なる地域研究に読み替えられてしまうような研究ではなく、我々の生きている現実、つまりグローバル化しつつある現実をあつかう「グローバルな人文学」に変貌する必要があります。
それは、これまでの人文学が扱ってきた対象とは別のグローバルな現象を取り扱うということではありません。これまでの人文学が扱ってきた対象をグローバルな視点から再解釈するということです。
グローバルな視点から再解釈するとは、次ぎの二つのことです。
①地域を越えたグローバルな広がりの中に位置づけなおすということ
②グローバライゼーションのという世界史的な動きの中でそれがもつ意味を再解釈すること
皆様、よい年をお迎えください。
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