証明のやり直し

Antwerpの駅構内です

前回の証明には、あいまいなところがあるので、やり直します。
  ①「その宮殿についての我々の言葉がなくても、その宮殿は存在します」
これにはおかしいところがあるでしょうか? 
一般に「pである」と言えたら「「pである」と我々は言えます」と言えます。それゆえに、①が言えたら、②が言えます。
  ②「「その宮殿についての我々の言葉がなくても、その宮殿は存在します」と我々は言えます」
②に、おかしいところがあるでしょうか。②に、おかしいところがあるとしても、それは前回書いた説明では、不十分だとおもいます。そこで、やり直しです。

おかしいのは、むしろ①そのものではないでしょうか。
①の中で「その宮殿についての我々の言葉がなくても」と仮定するときに、すでにその宮殿を言葉で指示しています。この仮定は、矛盾しているのではないでしょうか。
これが、矛盾だとすると、次ぎの仮定法の仮定部分も矛盾しています。
  ③「実在についての我々の言葉がなくても、実在は存在します」
③が矛盾しているとすれば、形而上学的実在論は、矛盾しています。

さて、今度は、完璧な証明でしょうか。

投稿者:

irieyukio

問答の哲学研究、ドイツ観念論研究、を専門にしています。 2019年3月に大阪大学を定年退職し、現在は名誉教授です。 香川県丸亀市生まれ、奈良市在住。

「証明のやり直し」への1件のフィードバック

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