03: 「人生の意味は何か?」という問いもまた上位の問いをもつ(20201127)

[カテゴリー:哲学的人生論(問答推論主義から)]

「人生の意味は何か?」と問うことは、他の行為と同じように、目的を持つだろう。その目的設定を、問いの形式で理解する時、「人生の意味は何か?」という問いもまたより上位の問いを持つということができる。

 上位の問いは、若い人にとっては、「私のこれからの人生をより意味のあるものにするにはどうしたらよいのか?」であるかもしれない。

 中年の人にとっては、「私のこれまでの人生はこれでよかったのだろうか。このまま進めてよいのだろうか?」であるかもしれない。

 晩年の人にとっては、「私は、人生をどのように閉じればよいのだろうか?」であるかもしれない。

 終末期の人にとっては、「私は死をどのように受け入れたらよいのだろうか?」であるかもしれない。

ヘーゲルの哲学体系の最後は歴史哲学で、歴史哲学講義の最後は次の言葉で締めくくられています。Leben Sie wohl!

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以上が私の最後の講義の最後の部分でした。

さて次回からこの続きを考えます。

投稿者:

irieyukio

問答の哲学研究、ドイツ観念論研究、を専門にしています。 2019年3月に大阪大学を定年退職し、現在は名誉教授です。 香川県丸亀市生まれ、奈良市在住。

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