[カテゴリー:『問答の言語哲学』をめぐって]
三木さんの質問資料は、以下にupされています。
https://researchmap.jp/nayutamiki/presentations/35803115
三木さんの質問は大きくは二つに分かれています。質問1は、「(問答)推論主義のプロジェクト」に関するもので、質問2は「問答論的超越論的論証」に関するものです。
質問1:(問答)推論主義のプロジェクトについて
この質問は、ブランダムの議論にも向けられた質問で、3つの質問に分かれています。
1(A):「コミットメント」とは?
「コミットメント」を説明責任として理解することは狭すぎるのではないか、例えば遂行責任も含まれるのではないか?
1(B):語句へのコミットメントとは何か?
「「指示するということへのコミットメント」といった語りかたを取り入れるのは、ブランダムの反表象主義の立場とは異なる見方であるように思える。入江さんが指示などの表象主義的概念についてどういった見解を採用しているのかも訊いてみたい。」
1(C):(問答)推論主義的意味論について
「(問答)推論主義的意味論を意味論の方針として採用したとき、いったい意味論の研究者はどういう研究をすることになり、またそれによって言語についてどのような知識が得られることが期待されているのだろうか?」
質問2:問答論的超越論的論証について
2(A):この背後にはどのような思想的な広がりがあるのか?
「言語現象を説明して終わり」に尽きない、何らかの目論見があるのではないか? 何かもっと大きな目標があったうえでのコミュニケーションを可能にする条件の探求なのではないか? もしそうしたものがあるなら、教えてほしい。」
2(B):問答論的矛盾とは何なのか?
「問答論的に矛盾しているというときの矛盾とは何なのか、そしてそれに関わっていると思われる「文字通りの意味」とは何なのかということを伺いたい。」
2(C):規範的超越論的条件はどのように導出されているのか?
「問答論的矛盾という概念が特にうまく掴みにくくなるのは、規範的超越論的条件の導出に関する議論においてであった。」
次からこれらに順番に答えたいとおもいます。