財政再建に取り組まない本当の理由?

現在の日本はなんだか長いトンネルの中を走っているみたいです。

「格差問題」の書庫で以前に2008年10月16日に書きましたように、先進国の財政赤字の原因は、1980年代から富裕層の所得税率と法人所得税率を下げたことにあるとおもいます。
したがって、財政破綻を防ぐには、それらを元に戻すことが必要だと考えます。
しかし、そのように主張する政党がないのはどういうことでしょうか。

しかし、このままでは財政破綻が目に見えています。それでは、なぜその回避にとりくまないのでしょうか。その応えは、財政破綻しても、富裕層や大企業は困らない、ということです。

もし日本が財政破綻すれば、どうなるでしょうか。赤字国債の買い手が見つからず、国債の借金を返済できなくなったとき、おそらく日本政府はIMFに財政支援を求めるはずです。そのとき、IMFがなにをするかは、韓国の通貨危機のときにすでにわかっています。あるいは、現在ギリシア政府が行っている政策でわかっています。

それは、消費税率をあげること、公務員の給与削減、国家予算の大幅なカットであり、
企業支援のための雇用の流動化、投資を促すための投資家保護、です。

結局、財政破綻して、IMFが乗り込んできても、大企業や富裕層は何も損をしません。ひどい目に会いそうなのは、労働者であり、中流、下層の人間です。

目覚めよ!

などと偉そうなことを言ったとしても、こんなことを言うだけでは、何も変わらないのです。

投稿者:

irieyukio

問答の哲学研究、ドイツ観念論研究、を専門にしています。 2019年3月に大阪大学を定年退職し、現在は名誉教授です。 香川県丸亀市生まれ、奈良市在住。

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