[カテゴリー:問答の観点からの認識]
前回(42回)でのここまでの議論の振り返りの最後に、今後の予定として次のように書きました。
「第5パートとして「論理学と自然科学の区別」を検討します。その後で、第6パートして「現象の領域」(現象的概念や現象的法則)と「理論の領域」(理論的概念と理論的法則)の区別を検討します。」
他方で、カテゴリー「『問答の言語哲学』をめぐって」の第39回では、「論理的語彙による事実の明示化」についての考察を、このカテゴリー「問答の観点からの認識」に移って行うと述べました。
つまり次の3つの課題に取り組む約束をしました。
「論理学と自然科学の区別」
「現象の領域と理論の領域の区別」
「論理的語彙による事実の明示化」
これらの問いでは、次の3つの用語の区別が問題になっています。
1,論理語(純粋数学の全ての用語もこれにはいる)。
2,観察語、
3,理論語
カルナップは、自然科学でもちいられる用語をこの3つに分けていました。
論理語については、クワインやブランダムは、それを理論語の一種だと見なすのではないかとおもわれます。そして、そのような論理語が「事実の明示化(解明)」とどう関係しているか、をかんがえるまえに、まず観察語と理論語の区別について考えてみたいとおもいます。つまり、上の3つの課題のうちの、二番目の課題「現象の領域と理論の領域の区別」に取組むことにします。