177 問答の四分類への変更と方法的問答の下位分類(The Shift to the Fourfold Classification of Question-and-Answer and the Sub-classification of Methodological Question-and-Answer)(20260808)

[カテゴリー:問答の観点からの認識]

私はこれまで問答を、三種類(記述的問答、意思決定の問答、宣言的問答)に区別してきたが、今後は次の四種類(記述的問答、方法的問答、意思決定の問答、宣言的問答)の区別に変更したい。

ここで「方法的問答」と呼ぶのは、前回「技術的問答」と呼んだものであるが、今回から「方法的問答」と呼ぶことにしたい。これは次のような形式の問答である。

「Aを実現するには、どうすべきか」「(Aを実現するには)、Bをすべきである」

この方法的問答は、真理値をもつ。なぜなら、この答えによって、Aを実現できるならば、この答えは真であり、実現できないならば答えは偽であるといえるからである。このような真理を「プラグマティックな真理」と呼ぶことにしたい。

 このような問答は、より厳密に考えると、次の二種類に区別できる。

(1)「Aを実現するには、どうすべきか(何をすべきか)」

「(Aを実現するには)、Bをすべきである」

(2)「Aを実現するには、どうすればよいのか(何をすればよいのか)」

「(Aを実現するには)、Bをすればよい」

(1)の「Bをすべきである」は、Aを実現するための「必要条件」を答えており、(2)の「Bをすればよい」は、Aを実現するための「十分条件」を答えている。

 さらに、この(1)と(2)に似た問答として次のものがある。

  (3)「Aを実現するには、何をしてはいけないのか」「Bしてはいけない」

「Aを実現するには、どうしてはいけないのか」「Bしてはいけない」

     「Aを実現するには、何を禁止すべきか」「Bを禁止すべきだ」

これらの答えを、Aを実現するための「禁止条件」と呼ぶことができる。

この(3)は、さらに次のように言い換えることができる。

     「Aが生じないようにするには、どうすべきか」「Bが生じないようにすべき(あるいはCすべき)である」(必要な禁止条件

     「Aが生じないようにするには、どうすればよいのか」「Bが生じないように(あるいはC)すればよい。」(十分な禁止条件)

#次に方法的問いの下位区分について考えたい。

方法的問答は、次のような形式であった。

「Aを実現するには、どうすればよいのか」「Aを実現するには、Bすればよい」

このような方法的問答は、実現しようとする目的の違いによって区別できるだろう。まず思いつくのは次の二つである。

(1)技術的問答、「自然的状態」を変えるための方法についての問答

(2)実務的問答、「制度的状態」を変えるための方法についての問答

(この二つ以外にも私たちが変えたいと思う事実はあるだろう。それについては、これらの検討の後考えたい。)

(1)「技術的問答」:

方法的問答の下位分類の一つは、ある自然的状態を目的として実現する仕方を問うものである。この問いに答えるために次のような実践的三段論法を用いる。,t

「Aを実現するにはどうすればよいのか。Bを実現すれば、B→Aという自然的因果関係によって、Aを実現できる。ゆえに、Aを実現するにはBを実現すればよい。」

例えば、「速度を落とすことによって、このカーブを安全に曲がれる」、「料理にレモンを入れることによって、魚の臭が消える」などの自然的因果関係をもちいて、私たちはある自然的状態を実現する。

#技術的問答と因果関係の問答の差異、実践的問答

「Aが生じれば、Bが生じる」

という因果関係の記述は、次の問いの答えとなります。

「Aが生じれば、何が起きるのか」

「何が起きれば、Bが生じるのか」

このような因果関係についての問答自体は、記述的問答であり、技術的問答ではない。これが、もし二つの個別的出来事の間の一回的因果関係の記述であれば、観察的問答であり、二種類の一般的出来事の間の法則的因果関係の記述であれば、理論的問答となる。

技術的問いに答えるときには、このような因果関係についての記述的問答を前提として利用することになる。因果関係についての記述的問答は、二つの出来事の関係についての問答であるが、技術的問答は、目的状態と実現行為の関係についての問答である。

(この技術的関係(目的状態と実現行為の関係)は、二つの出来事の因果関係の一種なのだろうか。それともそれとは異質な関係だろうか。これについては、後で検討する。)

(2)「実践的問答」:

方法的問答のもう一つの下位分類は、ある制度的状態(ある制度を前提として、そこで可能になる状態)を目的として実現する仕方を問う問答である。この問いに答えるには、次のような実践的三段論法をもちいる。

「どうやってAを実現すればよいのか。Bを行うならば、B→Aという制度的関係によって、Aを実現できる。ゆえに、Aを実現するために、Bを行おう。」

例えば、次のような問答である。

「どうやってXさんに投票するのか」「投票用紙にXさんの名前を書けば、Xさんに投票できる。ゆえに、投票用紙にXさんの名前を書けばよい」

ここで実現すべき目的(つまり、ある制度的状態)やここで使用する「B→Aという制度的関係」は、記述的問答によって記述されるものである。

方法的問答の下位分類の第三のタイプについて、次に考えたい。

141 技術的問答の下位区分(a subdivision of technical questions and answers Subdivision) (20250121)

[カテゴリー:問答の観点からの認識]

技術的問答を「目的を実現するための方法を問う問答」と定義するとき、それは次の二種類に区別されます。

(a)目的を実現するための必要条件を問う問答

  「Bを実現するために、何をしなければならないか」

  「Bを実現するために、Aをしなければならない」

(b)目的を実現するための十分条件を問う問答

  「Bを実現するために、どうすればよいか」

  「Bを実現するために、Aをすればよい」

この(b)は、次のように言いかえることもできます。

「どうすれば、Bを実現できるのか」

「Aすれば、Bを実現できます」

このような技術的問答は、因果関係を問う問答とも実践的問答とも異なるものであるので、まずそれを説明します。

#技術的問答と因果関係の問答の差異実践的問答

「Aが生じれば、Bが生じる」

という因果関係の記述は、次の問いの答えとなります。

「Aが生じれば、何が起きますか」

「何が起きれば、Bが生じますか」

このような因果関係についての問答は、技術的問答ではありません。それは観察的問答か理論的問答になるでしょう。二つの個別的出来事の間の一回的因果関係の記述であれば、観察的問答の一種であり、二種類の一般的出来事の間の法則的因果関係の記述であれば、理論的問答の一種です。

技術的問いに答えるときには、このような因果関係についての問答を前提として利用することになります。因果関係についての問答は、二つの出来事の関係についての問答ですが、技術的問答は、行為と状態の関係についての問答です。

#技術的問答と実践的問答の差異

次に、技術的問答は実践的問答とも異なります。なぜなら、技術的問答の答えは真理値をもつ記述であるが、実践的問答の答えは意図決定であり、真理値を持たないからです。例えば、次の問答は、実践的問答です。

「Bを実現するために、どうしようか」「Bを実現するために、Aしよう」

実践的問答は、意図と意図の関係についての問答である。

このような技術的問答は、さらに下位区分できそうですが、それは後回しにして、次に「規範に関する記述的問答」を考察し、その下位区分を考えてみたいと思います。